大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)673 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由について。

論旨は、原審に、審理不尽、理由齟齬の違法があると主張する。その論拠とする

所は、原審において、上告人が唯一の証拠方法とする上告人本人の尋問を施行する

ことなくして、弁論を終結したことにある。

記録によれば、上告人は、第一審における昭和三一年九月七日の本人尋問施行期

日に、適法な呼出を受けながら故なく出頭しなかつたため、本人尋問なくして第一

審判決の言渡を受け、更に原審における昭和三二年二月一九日の本人尋問施行期日

に、同月一五日以降一週間の安静加療を要する流行性感冒に罹つた旨の診断書を提

出したまま出頭せず、次で指定せられた同年四月一八日の本人尋問施行期日には、

適法な呼出を受けながら故なく出頭しなかつたことを認め得られるのであつて、こ

れ等の事情によれば、上告人本人の尋問は上告人の唯一の証拠であるにしても、そ

の施行に障碍があり、果してこれを施行し得るか否か不明であり、施行可能として

も、その時期を予見し得ない状況にあつたものとなすべきであつて、民訴二六〇条

所定の、証拠調につき不定期間の障碍ある場合に該当する。したがつて原審におけ

る所論の措置を違法となし得ない。当裁判所の判例も亦、これと同旨に出て居る。

(昭和二八年(オ)第四〇七号同三〇年九月九日第二小法廷判決、民集九巻一〇号

一二四二頁)それのみならず、記録上、右四月一八日の期日に、上告人の訴訟代理

人が右本人尋問施行の延期を求めた事迹も亦認められない。したがつて、原審が上

告人本人尋問を施行せずして弁論を終結したことは、相当として是認し得られる。

原審に所論の違法がないから、論旨は採用の限りでない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

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